会期
2017年11月17日(金)-11月26日(日)
14:00-20:00 /最終日18:00まで
休廊日:火曜日
入場無料
オープニングレセプション:
2017年11月17日(金) 18:30-20:00
作家とキュレーターの四方幸子による作品解説とオープニングパーティーを開催します。
会場
gallery to plus(東京都目黒区自由が丘1−12−4 B1)※自由が丘駅から徒歩1分
画面やカメラに関する実験と観察を行い、認知や計量化といったデジタル性に関する作品を制作する時里。
本展では、近年取り組んでいる、ディスプレイの画面に映る行為や情報を電磁カウンターを使用し計量化するシリーズ「見た目カウント」の新作を発表する。
2連のディスプレイには、卓球のリフティングをする人物を異なる角度から撮影した映像がそれぞれ流れている。各ディスプレイの手前には電磁カウンターが設置され、ボールとラケットが衝突する画面を感知し、その回数を数値化し続ける。もう1台のディスプレイには「2連のディスプレイとそこに流れるリフティング映像」が入れ子的に映像として表示され、ボールとラケットが衝突する画面を認知してタップする手の映像が流れている。タップの回数は、ディスプレイの手前にある電磁カウンターが数値に変換し続ける。反復的な映像とリズム。作品はミニマルで、システムは明解である。しかし意味は明示されない、表象を追求する場合においては。
リフティングは、生身の人間が行うためにリズムや動きに毎回差異を生み出している。2連ディスプレイの作品では、カウンターがそのような差異と関係なく回数のみを表示する。1台のディスプレイでは、ラケットがボールに当たる映像に合わせてタップする人の行為をカウンターとの間に挟むことで、もう一段階の差異が導入されている。人の反射的行為とカウンターの計測はともに機械的なものだが、前者では身体性(ぶれ、ディレイ…)が滲み出るのに対し、後者は一貫して厳密かつ正確である。その上で、いずれの作品においても、身体によるカウントとマシンによるカウントが、情報の変換を伴いながら繋がるものとして設計されている。訪れた者も例外ではない。情報の変換プロセスに対峙する中で、次第に作品のリズムに同期することになるだろう。
時里は、計測というシステムを介在させることで、起きている出来事の別の(メタ的)側面を可視化する作品を手がけてきた。私たちが日常的に知覚する世界とは異なる、数値として抽象化された世界。それは出来事の、差異をともなう延長的な「反映」である。映像/実空間、人間/マシンは、彼の作品において親和的な顔を見せている。
四方幸子
1990年兵庫県生まれ、東京都在住。2010年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、2012年多摩美術大学情報デザイン学科卒業。画面やカメラに関する実験と観察を行い、認知や計量化といったデジタル性に関する作品を制作発表。
個展に「AとBとA’」(「時里充展+土居下太意展 照準と流出」art space kimura ASK? + ASK?P、東京、2012)、「エマージェンシーズ!022「視点ユニット」」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京、2014)、「見た目カウント」(SOBO、東京、2016)。グループ展に「ICC キッズ・プログラム 2016 気づきフィルター メディア・アートの要素を探してみよう」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京、2016)、「フィットネス.」(akibatamabi21、東京、2016)、「アスリート展」(21_21 DESIGN SIGHT、東京、2017)など。
企画
キュレーター:四方幸子(Yukiko Shikata)多摩美術大学・東京造形大学客員教授
マネジメント:桑原康介(Kousuke Kuwabara) gallery to plus代表